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イエナプラン教育のエッセンスから吹奏楽指導 [教育/実践]

公開だけど下書き中

Story & Statement

2012年12月25日-27日の三日間、埼玉県にある小学校の金管クラブの指導へ行ってきました。以前から様々な教育現場で吹奏楽の指導をしてきましたが、今回から具体的にオープンモデルとしての要素ももつオランダ・イエナプラン教育のエッセンスと実践を音楽指導に取り組んでいくことにしました。どのような目的を持ってどう展開し、どんな効果があったのかをまとめていきたいと思います。

Body

Topic
イエナプラン教育の教育的有効性

Supplement
イニシアティブの獲得

Fact
通常の指導や現場
イエナプランの考え方

Tactics
実践記録 概要と目的

Common
具体的な様子と効果

Conclusion
今後の展望と教育現場での活かし方を考察






▼実践記録

3日間の目的:
楽器の音がよく出せる 
合奏がよくなる 
お互いの違いを知り、オープンになって持続的・協働的に音楽作っていく姿勢を作る
上記目的達成のための練習方法、探究方法を発見する




初日:12月25日(火)13:00-15:00
テーマ「楽器について知る」【楽器・音楽・クラブに対する動機付け】

【】は目的、()はおよその所要時間を示します。




0.担当の先生とミーティング(30'~45')
近くのレストランで昼食をとりながら学校や地域、子どもたちの様子を傾聴。プランの提示と打ち合わせ。




1.診断【状況把握】 (10')
いつも通りの演奏隊形、合奏を行って様子を見る。
ちょっとした手直しにいいねセレクションを活用して、効果をみんなで確認する。

当初は予定していなかったが、担当の先生方の要望により取り入れた。
子どもたち、先生方、グループリーダー(私 以下リーダーと記述)と全体の共通認識をすることには良かった。




2.アイスブレーク【コミュニケーションを取りやすくする】(8')
サークルを作る。作る場所を指定し、出来るだけきれいな円を作るようにのみ指示。あとは任せる。
数合わせのため一度座ってもらった後、席決めのアイスブレーク。

・誕生日の順番で席決め

リーダーの声がけ
「私の左隣から右隣へ、1月を最初、12月を最後に並んでください。時間は1分です。どうぞ」

完了後、左側から順に誕生日を言っていき成功を確認。
仮に失敗したときは似たような条件でやり直し。
例:右から順に誕生日順や、スタートする月を変えるなど




3.サークル対話【お互いの考えを知る 他者という気づき】(10')

・散りばめられた写真の中からテーマをもとに条件に合う写真を選ぶ(2'+延長1')

条件
リーダーの声がけ
「この中から2枚写真を選んでください。ただしテーマがあります。1枚目は自分にとっての音楽です。理想やこうしたい、こうなりたいというものを選んでください。2枚目はみんなで作る音楽です。同じく、みんなで作る音楽の理想やこうありたいというものを選んでください。では2分間、どうぞ」

写真を決めている時
リーダーのかけ声(本来は最初に提示したほうがよかったかもしれない)
「誰かと選びたい写真が同じになってしまったときは話し合いで決めましょう。学年は今考えずにみんな同じ友達としてください」

選んで席についたら一人ずつ何故その写真を選んだのかを、全員に写真を見せながら一言ずつ述べてもらう。どうしても言えない場合は後にすることもでき、パスをすることも出来るようにする。
また、今回はそのままいけそうな雰囲気だったので設けなかったが、みんな座ってから1分ほど考える時間があってもよかっただろう。

実例
▽自分の写真のコメント
「わたしはこの目一杯咲く花のように明るく音楽をしたいと思いました」
「僕はこいのぼりのように天へつよく登っていきたいです」

▽みんなの写真のコメント
「僕はこのカラフルなビー玉のようにみんなが違うんだけど、ひとつになるとこの写真のようにとても良いものになると思います」
「わたしはこのハート形の雲の形がすごいと思います。そういう瞬間をみんなと過ごしたいです」
「みんなで演奏した後のビールがとっても美味しいのでこの写真を選びました」(これは地域のサポート先生)

実際にやってみると小学生であっても深い考えや想いがあるのだと改めて実感する。
このアクティビティーには先生たちも参加し、みんなと同じ立場で語り合った。

写真は回収してもよかったが、子どもたちの好奇心に満ちた顔と当日が12月25日であったことを考え、クリスマスプレゼントとして選んだ2枚をプレゼントした。後にもっともらえないかとお願いをされたので一人合計4枚までOKとした。これらの写真がそれぞれ子どもたちの何かの種や原点の一つになってくれることを祈って。

余談だが、この日に参加していなかった子どもたちもいるそうなので、後日写真のセットを先生に送って残った子どもたちにも選んでもらえるようにしようと思っている。




4.オリエンテーション【情報の共有によるひとつの安心感を生むため】(6' 内映像4分)

ほどよく温まってきたところで3日間の概要をそれぞれの日の目的を伝え、最後には日本イエナプラン教育協会主催2012年夏研修のときに頂いた映像の一つ(水牛の群れがライオンを追い払うもの)を使って、私はこの映像のようにありたいと思っています、と抽象的に伝えた。具体的なメッセージはシェイクスピアの言葉ではないが、行為への熱を冷ましてしまうからだ。

リーダーの声がけ
「今から一つの映像をみなさんに見せます。そこには私のメッセージや想いが隠れていますので探ってみてください」
上映終了後
「どうでしたか。みなさんそれぞれの中に何か小さなメッセージが届けられたら嬉しいです。そしてそのメッセージは受け取る人によって違うと思いますが、それは素晴らしいことです。なぜなら一人一人違う人たちが音楽という一つの目的をシェアすること、一緒に持つことによって可能性がたくさん膨らむからです」



5.グループワーク【協働作業によるコミュニケーションを諮ること、楽器への興味促進】(20')
楽器グループごとに分かれ、各楽器のプレゼンテーション準備(パート紹介)
今回は特に制約や条件を決めずに各グループの完全自由形式にした。なぜそうするのかは、MTM方式(Match-Training-Match)つまり、実践ー訓練ー実践の積み重ねが学びにおいて有効だからであり、各グループの発表から各自がそれぞれ様式や発表の仕方を学んでいけるからだ。


トランペット、トロンボーン、ユーフォニアムパートのみであったが、実際はトランペットが数が多いので3グループに分かれた5グループとなった。ちなみにトランペットが分かれたのは子どもたちがそう決めた。

リーダーの声がけ
「まずは各自個人で2分間、どのように発表をしていきたいかを考えてください。その間は他の人とはお話をせずに静かに考えます。メモをとっても構いません。2分たったところで合図を出すので、そこからグループで10分間話し合って考えてください。インターネットや音楽室にあるものの全てを使用して構いません。それではどうぞ」
音楽室の使用物については事前の打ち合わせ、或いはその場で先生に尋ねるという形をとる。

10分後
全体に時間が必要か一度確認。ほぼ全員が挙手をしたので5分延長、その後熱中覚めやらない様子であり、全体への確認を取った後最後の3分延長をして終了。合計約20分。(この時間は想定しておく)

最初のうちはこのように同意をとりながら少しずつ進めていくことによって自分たち(子どもたち)の意見が時間空間を作っているという意識を少しだがさせることが出来る。それによって、今その時間に対して各自が当事者意識を持って責任を共有していけるものと考えられる。


6.プレゼンテーション【お互いを尊重する態度を養う。自分以外の人たちとストーリーを共有】(15'~20')
各パート3分ずつ
3分以内に発表が終わった場合は質疑応答の時間

発表の順番はときどきこちらがフォローしながらも子どもたちに委ねて決めた。ユーフォニアム

リーダーの声がけ
「それでは発表の時間に移りたいと思います。どのグループから始めるか決めてください。どうぞ」

ーー少し強引に決まりそうになったときーー

リーダー「本当にそれでみなさん納得できますか?何か意見や他の提案はありますか?」
A君「僕はいやです」
リーダー「それはなぜそう思うの」
A君「なんとなくです」
リーダー「そうなんだね。ただ、それだと他の人に伝わらないから、みんなを説得できるかな」
A君「んー・・・」
リーダー「だれか彼のフォローできる人はいますか?彼はどういう風に今考えているのだろう」
Bさん「わたしもこのままはいやです・・・」

ーー全体が少し静かになったところでーー

リーダー「普段はみなさんこういうときどのように決めていますか?多数決かな?どのような方法でも構いませんが、みんながそれなりに納得できるように決めてください」

ーー話し合いのうち最終的にはグループでじゃんけんということになるーー

リーダー「それでは、じゃんけんということでいいですか?何か他に意見はありますか?」
子どもたちの全体の反応として一つの妥協点に落ち着いた感じを見計らったので
リーダー「それではじゃんけんで決めることにしましょう」


7.ブロックアワー【各自の気持ちの切り替えや合奏に対する準備】(約15')
発表後合奏まで休憩を含めた自習時間。何をするかは各自考える。
各自の意思に任せるものの、ほぼ全員楽器を練習していた。

リーダーの声がけ
「14:30から合奏を行います。それまで休憩を取る人は取ってもいいですし、練習したい人はそれもどうぞ。合奏は曲の頭からBの部分までをやります。そして一つだけお願いがあります。14:30からすぐに始められるように合奏の隊形を作っておいてください。いつもの並びではなく、自分が吹きやすいと思う位置に自由に席を作ってください。指揮者はキーボードの前とします」

8.合奏【実際の練習で質の向上を目指す】(15')
この日は短時間での合わせだったので、冒頭から前半部分に関して「いいね!セレクション」を中心に、自分たちの演奏の中で良かった点を一人ずつシェアしていってもらうことのみになった。全体演奏、或いは個人演奏の感想やプラスの意見を言ってもらう形。もちろんパスはあり、感想の重複もありです。最後には私からのいいね!も具体的に提言。
これを一回するだけでも相当改善されていきます。その背景にあるのは当事者意識による集中力と、子どもたちの「もっといい演奏がしたい」という願いから体現されるのだと思います。

9.リフレクション(10')
最後にもう一度サークルを作ってもらい、ピンク・緑・黄色の3色メモカードをそれぞれ渡しました。これはオランダイエナプラン校の先生達に研修をしているJAS(Jenaplan Advice Schooling)の先生から研修で教わったやり方をもとに今回用にアレンジを加えたものです。ピンクには「自分や人の良かったこと」緑には「もっと良くしたいところ」黄色には「アイデア こうしたらどうだろう」。時間がせまっていたこともあり、それぞれ対応する封筒を準備しておき、そこに書いたものをいれたら随時終了解散にした。これは私の反省点として、その場でシェアできる意見は有志の発表という形でして、簡単な閉会宣言をするほうが良かったと思っている。このリフレクションの共有は翌日以降の冒頭ですることにしていたが、クロージングのメリハリはあった方がより効果的だ。


解散

補足
4と5の間にこちらのプレゼンとして以下の問いかけも準備はしていたが、写真の発表と楽器紹介内のプレゼンでカバーできると考え、あまり長く対話をするよりは進行のリズム感を大切にしたためにカットした。
・プレゼン 問いかけ
グループに分かれ、3つのテーマについて考える
1.3日間でどんなことを学びたい?
2.音楽さんに聞いてみたいこと
3.他の楽器に聞いてみたいこと

下線部について

▼イエナマテリアル紹介
民主的方法を実現するため、また論拠をあげる訓練になるご意見ボックス。ただ賛成反対自分の意見を通すだけでなく、これを用いるときは必ず論拠を挙げさせる。
赤いボックスに上部左から青、緑、黄色の髪が磁石で貼ってある。
下部は左からお金の収納場所、会計簿(会計係をつくる)、メモ帳(ミーティング時に記す)がある。
他の人がしたいいことを書くのが青、
全ての疑問質問は緑
全ての希望。不平不満ではなく、それらを希望へと昇華して書くのが黄色。「〜だともっとよい」など




二日目:12月26日(水)13:00-15:00
テーマ「合奏」 【合奏の質を決める集中力、そして他の人の音を聴けるように、或いは意識できるようにする】

0.ミーティング【先生と問題の共有 リフレクションの事前読み込み】
前日と同じレストランで食事をとりながら前日子どもたちに書いてもらったリフレクションのチェック。あらかじめ内容を知っておくための一つの大事な作業。

1.アイスブレーク【コミュニケーションを取りやすくする】
この日は早速サークルからスタート。
席決めは郵便番号の下一桁順。
昨日と同様に始まった。結果は失敗。

リーダーの声がけ
「今上手くいきませんでしたね。それは何が原因だったかな?」
少し間を置いて
「もう一度やりましょう。次は違うお題にしようと思いますが、何かアイデアはありますか?」
こども「名前は?」
リーダー「いいですね。では、名字では分かりやすいかもしれませんので下の名前はどうでしょう」
こどもたちはガヤガヤしつつも早速お互いの下の名前を確認し始めている。
「それではこの条件でもう一度やってみましょう。どうぞ」

成功

郵便番号などの例は近くの子どもたちが通ってくる一般公立校においては効率的ではなかったが、高校生以降や社会人のサークルでは一つの素材となる。

覚えて名前ゲーム【コミュニケーションを円滑にするため、名前を覚えやすくする】
サークルでひとりずつ下の名前を紹介していくが、隣の人は前に紹介していた人の名前を全て言ってから自分の名前を紹介する。「Aさん、Bさん、Cさん、わたしはDです」「Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fです」最後の方になるともちろん難しくなっていくので、ヒントを出して助け合うように伝える。最初は声を出さないという条件を付けていたが、難しそうであったので答え以外のヒントなら何でも可能にした。

成功

となりのいいね!紹介【自己肯定感を高める 雰囲気を明るくする】

サークルで隣の人と自己紹介をし合い、その後サークル内で自分の相方になっている人の紹介をする。条件として、名前・いいね×2の合計3点を設定。
状況によっては名前・学年・いいね×1でもよいかもしれない。3点以上は効率が悪くなると判断している。今回いいねを2つと設定したのは、3日間全体の目的として「いいね!セレクション」をし、自己肯定感を高め音楽の意欲を高めたいと考えていて、そこに対する審美眼を磨いてほしいと考えたから。

リーダー声がけ
「1分間となりの人と自己紹介をし合ってください。1分後にそれぞれ隣の人をこのサークルで紹介します。そのときには名前と、その人の良いところ2つ(合計3つ)を紹介してください」

フルーツバスケット【アイスブレーク 他者理解のきっかけづくり】
自分以外の人の共感部分を探す。今回は抽象的な条件と具体的な条件を設定した。
1.「We like 〇〇」
2.「We have 〇〇」

もちろん〇〇部分は日本語。英語に設定した理由は3点。
・日本語にすると恥ずかしがる子もいるかもしれない
・普段使わないパターンを型にするほうが新鮮な感覚でちょっと考えられる
・私自身の所感からWeという言葉のイメージの方がオープンに共感をよびやすい


もっと関係性や理解が深まればこちらが用意した質問に対して反応していく遊びも出来る。

2.サークル対話
前日リフレクションの意見共有。
前日記入してもらった3色のメモをランダムに配って、それを読み上げてもらう。
本日の流れを確認共有


3.サークルアクティビティー
・同じ音を出す
楽器を用意してもらい、再びサークルで集合。
そこで「みんなで同じ音を出してください」と一つの課題を与える。
これは全員が同じ楽器の中でやるのであれば、或いは移動ドといった音楽的な知識が備わっている状態であれば難のある課題ではない。しかし、そうではない人たちが一つの音を出すというのは大変困難である。何故ならば楽器によって「ド」の音が異なるからだ。トランペットの「ド」は楽譜の読み方によってトロンボーンやユーフォニアムの「シ♭」といったように。更にアルトホルンが加わると難易度が上がる。
今回打楽器はなかったが、もしあったとしても鍵盤楽器で試させたり、子どもたちに考えさせてもよいだろう。実際見込んでいた時間をオーバーしたが、大変効果的なものになった。
彼らは楽器が違えば音が違う、といったことを体験的に捉えることが出来ただろうし、解決するためにだいぶ話し込んでいた。なかなか上手くいかず諦めの空気がある沈黙が訪れたとき、ギリギリのラインでリーダーがヒントを提示する。沈黙にも質があり、「なんとかしたい、なにかないか」といったポジティブな沈黙と、「どうしよう・・・」という悲哀感あるネガティブな沈黙だ。
解決をしてきた経験が積まれた状態であれば教師が提案をしないというのも選択肢にあるが、とりわけ最初の状態ではヒントを発信して解決への方向性を示唆することが必要だろう。

リーダーの声掛けヒント
「楽器によってどうやら音が違うみたいだね。トランペットの〈ド〉がアルトホルンの何の音と一緒なのか色々実験してみたらどうかな?もちろん、トロンボーンもね」

最終的には学校の先生に判定してもらった。こういった場合は第三者の方が判断に公平性が出ると考えるからだ。


4.合奏
昨日と同じように自由に合奏隊形を組ませて開始。それなりに合理的な配置になった。仲良しグループや同族楽器で集まり、直列で3列になった。まずは全体合奏で前半部分を演奏。前日と同じようにいいね!セレクションを実施。


5.合奏内アクティビティー
いいね!セレクション後に再度同じ箇所を演奏。演奏が改善され、それが子どもたちも把握できていた。更に突っ込むために、今度は一列ごとに分けていいね!セレクションを実施。
まずは一列目の演奏。
演奏個所を多少短くして、他二列の子どもたちは前に出てきてみんなでその演奏を聴く。終えたところで一人ずつその演奏の良かったポイントを伝えていく。もちろんパスや重複、後回しはあり。
最後に全体の方向性を確認する意味でリーダーも演奏の良かったポイントを伝える。これを同様に2列目、3列目と重ね、最後には同一個所を全体合奏。見違える演奏と安定感が生まれた。

それは自分がダメになりそうでも仲間の演奏を聴き合い信じることから生まれたものだろう。
いいね!セレクションの次の段階として、それに基づく「もっとこうしたい」という改善点を自ら見つけていくことであり、それを伝えブロックアワーを設けた。

6.自律学習タイム
4.5を受けて、各自個人練習やパート練習。この日最後の合奏ではみんなで行けるところまで行く(止まるところまで)ということを伝えておいた。

7.合奏
いざ、合奏。前半と後半は内容的にもほとんど一緒なのでこの段階では難しくなかったが、中間部は全く練習もしておらず、また間奏部であるので分かりやすいメロディーや伴奏もあるとはいえない難所。案の定中間部に差しかかったときに何度か崩れて止まりそうになった、がしかし、彼らは指揮者の指揮もなく通しきってしまった。お互いを必死に聴き合っていた。高学年や経験者の子を中心に言葉に頼らない音楽のコミュニケーションを彼らなりに集中していた結果だった。こういった部分は言葉では表せないが、音楽や演劇といった他者と協働していく表現活動を行うものには経験があるのではないか。

8.リフレクション
最後はサークルで前日と同様に3色のメモ用紙を渡して記入してもらい終了。



三日目:12月27日(木)13:00-15:30
テーマ「演奏について研究」

0.ミーティング
子どもたちリフレクション紙のチェック、当日の進行確認

1.アイスブレーク
条件付きじゃんけん
通常のじゃんけんに条件を付けることで協働ゲームに。
ルール
・リーダーvs子どもたち

リーダー声掛け
「今からみなさんと私でじゃんけんをします。条件を設けますので、それにあてはまれば皆さんの成功です。この中で勝ち◯人負け◯人あいこ◯人を作ってください。準備ができたらやってみましょう」
ちなみにこの条件部分に関しては、状況によって簡単にも複雑にもできる。例えば、簡単なものでは「勝ちを1人」と設定すれば、メンバーの中の誰か三人がグー・チョキ・パーのそれぞれを出せば条件達成になる。

マットゲーム
マット(このときはブルーシートを代用)の上にメンバーが乗った状態でそのマットを反転させるゲーム。このときは18人いたので、9人ずつにわけ、最後は18人全員で行った。

リーダーの声掛け
「今からこのマットの上に9人乗ってください。この9人が終わったら残った9人も挑戦します。ルールは皆さんが上に乗った状態でこのマットを半回転させてください」

2.サークル対話
前日リフレクションの共有
3色のメモをランダムで配り読み上げていってもらう
本日の流れを確認共有

3.グループワーク
4人グループを作り、課題を提示して各グループ調査
課題は、楽器をより良く奏でるために必要な要素「息」「口」「姿勢」。各自がヒントを得られやすくするためにネット環境はもちろん、様々な素材を用意しておいて実験ができるようにしておくなど、環境整備には配慮した。
具体的にはストローを用意し、息を使った実験を提案したり、ゲーム感覚で実験できるように各グループを回ってそのグループに合うだろう方法論の提案をした。


リーダー声掛け
「今日のテーマは演奏でした。演奏上達のコツとなるポイントは3点あります。それは〈息〉〈口〉〈姿勢〉です。いったいどのように工夫をすればより良い演奏につながっていくんでしょうか。みなさんで探っていってみましょう」
実際には上記3点のコツもサークル対話などで話あって引き出せるとなお良いだろう。時間制約があるので今回ここは提示させてもらった。
時間は10分と最初に設けたが、初日と同じように子どもたちとコミュニケーションをとりながら最終的には休憩を省いて30分ほど時間を取るという合意になった。


4.指導者の提案
上記グループワークの発表の後、それらを踏まえてそれぞれのポイントについて練習方法や実践方法などをレクチャー。ここで初めて一般的に指導者らしいことをした。時間にしたら5分ほど。

5.クロージングイベント
楽器の水洗い
先生からの要望もあり、全体で楽器の水洗いを体験。注意としては木管楽器や打楽器は、水洗いが出来ないので「吹奏楽」団体の場合、普段はしない整備やなどを提案する必要がある。或いは学校楽器を中心としたバンドであるのであれば手伝いをさせてみるのも良いだろう。
時間を多く取れる、或いは何日かに分けられるのであれば楽器ごとに分けて行うのが適切だ。効率が良くなるのと、指導者にも余裕が出てくるからだ。


6.リフレクション
各自3色用紙に記入して解散





▼先生の感想

3日間、金管バンドのご指導にありがとうございました。
が遅くなりすいませんでした。
この3日間ではみんな貴重な経験をさせていただけたと思います。短い時間でも大きな一歩であると思いますので、これからのクラブの活動に生かしていきたいと思います。
ー中略ー
イエナプランすごいですね。現在の日本の教育現場でのギャップは感じますし、1人ではできないことです。自分も何か感じたくらいですが、勉強して知りたいと思う教育観がありますね。
また来年、お願いできたらありがたいです。よろしくお願いします。
ではよいお年をお迎えくださいませ

埼玉県教員 Y.I


▼memo
・内省法の提案としてメモ用紙を繋ぎ合わせる形の製本方法を伝えた
・3色メモ用紙と封筒は非常に便利
・楽器研究のグループワークは多くの時間を必要とする
・インターネット環境の整備
・インターネットに頼らない研究方法の実践
・時間に追われるのは禁物 各時間配分には時間的余裕は必ずもたせること
・録音録画の推奨
・ここから個人の進度や発達状況をモニタリングしながら教育的にファシリテートしていくには。
・リフレクションの感想は事前に読んでいたが、サプライズイベントをほのめかすものがあったを事前に取り除いておけばよかったかもしれない。
・リフレクションの内容は事前に知っておくこと
・各アクティビティーが成功したときにリーダーは拍手を送っているが、特に子どもたちに強要することはしていない。


他にもこんなアイデアがあった
ーリフレクションポスター作成
ー楽器洗濯のグループ調査
など
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