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振り返りジャーナル 塾1周年 [教育/実践]

ナイス自由塾ではない、私が現在平日に勤めている個人指導塾で週刊振り返りジャーナル(学級新聞)が先日1周年を迎えました。
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ここでは、今後へのアイデアリソースとして、ナイスでも今現在取り組んでいるこの振り返りジャーナルについて振り返っていこうと思います。学びの定着や、地に着いたアイデアの源泉は、いつでも振り返るところから始まりますよね。


さて、2012年、オランダから帰国し、日本で何が出来るのかを模索しつづけていた日々。その中で元職場であった塾から声がかかったので戻ることにしました。それは今でも続いています。

もとより生徒とはよく話し合っていたけれど、オランダで経験したこと、また教育について日本でも各種サークルや勉強会に参加し、理解を深めたこともあり、1to1の授業ではあるけれども様々な質は向上したのではないかと思っています。(とはいえ、もちろんそれ以前も真面目に向き合っていたので対生徒に対してその質を比較するのは大人の野暮というものですが)

その中で質に貢献したものの一つとして、今回タイトルにもした「振り返りジャーナル」はその大きな役割の一つをになっただろう。どのようなことをしてきたのか、少し振り返ってみます。


▼そもそも
そもそも振り返りジャーナルとは、埼玉県の小学校教員である岩瀬直樹さんや、ホワイトボードミーティングを提案されている株式会社ひとまちのちょんせいこさんが提案されているもので、お名前を頂戴し、学級新聞としてアレンジしました。

元ネタの詳細はちょんせいこさんのブログや彼らの著書をご参照ください
http://d.hatena.ne.jp/chonseiko/20130408/1365425195

よくわかる学級ファシリテーション

よくわかる学級ファシリテーション①―かかわりスキル編― (信頼ベースのクラスをつくる)

よくわかる学級ファシリテーション①―かかわりスキル編― (信頼ベースのクラスをつくる)

  • 作者: 岩瀬 直樹
  • 出版社/メーカー: 解放出版社
  • 発売日: 2011/03/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


とてもいいです。この実践については別途記事にする予定で、ここでは名前だけもらった学級新聞について書いていきます。


▼振り返りジャーナル
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2013年の6月に創刊した第一号の表紙と半面です。

▼レイアウト
実際は後にも載せていますが、A4横×2面で印刷し、更にその中を3等分します。最後にA3でコピーをし、全体を6つにおると一つの手頃な冊子になるものです。これはMacのPAGESにあるデザイン(エレガントパンフレット)をそのまま使用しています。
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先ほども載せた第1号のレイアウト全体は一枚目
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二枚目
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これをA4で二枚、縦に重ねるとA3になるのでそれをコピー印刷、そして印刷されたものを縦の真ん中で半分、そこから3等分に沿って折っていくとこれを表紙にした冊子の完成。
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▼始めた理由
そもそも、学級新聞を作成しようと思ったのは、1to1の授業では集団での良いダイナミズムや学び合い、子どもたちが異年齢で機能し合う(言葉はよくないかもしれないけれど)が達成できないこと、そしてそこにこだわらないにしても、せっかく同じクラス(先生)から学び合っているのに子どもたち同士の交流できたらもっといいなぁ、と思っていました。更に言えば、もっと授業以外のことを生徒と語らいたいのだけれど、授業時間の制限もあるので、あまり時間もとれないこと。以上のようなことから「実際にクラスは作れなくても、学級新聞上でなら実現できるんじゃないか」と思うにいたり、そんな中振り返りジャーナルと出会って、インスピレーションをいただいたことから、お名前を頂戴し(Facebook上で確認をとらせていただいた)、個人指導塾で個人の学級新聞こと、振り返りジャーナルを創刊することになりました。
実際取り組んでいるのは私だけですが、新聞内では各先生や他主要スタッフの方々も取り上げ紹介し、生徒以外にも塾長と希望者には毎週渡しています。
不登校で学校にも塾にも行けない生徒がいたときに、毎月無理のない一言を添えて手紙でジャーナルを送るということにも役に立ちました。

▼コンテンツ
Betterをキープしていく気持ちがあるなら思い立ったが吉日で、とにかくあまり深いことを考えずに始めました。第1号のレイアウトは上面に表紙、クラスの生徒紹介、生徒の振り返りスペース
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下面に教室先生・スタッフ紹介、エッセイ、英語エッセイ、いいねセレクション
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英語エッセイは自分の勉強も兼ねたり、中高生に読んでみるきっかけをと思って書きました。しばらくの後にこのコーナーはおしまいになります。
とにかくそこまでのアイデアもなかったので、自分が伝えたいことやオランダ見聞録などをエッセイにして紙面を埋めていました。
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いいねセレクションは、基本的に自己肯定感やポジティブな空気感を生徒それぞれに持ってもらいたかったので、毎週バランスに気をつけながら書きました。
時にはいいねセレクションスペシャルとし、3週に分けて全生徒のいいね掘り起こしも。これは確か夏休み頃で、ひとつの評価や振り返りをねらったもの。
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生徒全体も慣れた頃には生徒紹介の箇所を外し、また生徒振り返りも別紙にすることにしたのでそこも紙面からは取り除きました。そこで始めたのが振り返りジャーナル(以下FJ)内での「学び合い」です。
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この覧は「FJ道場」と称し、国語の接続詞について紙面で学び、実践し、その実践したものを翌週の紙面で共有していく、というものです。こうすることで、生徒のFJ参加を可能に出来たのは嬉しかったし、先生の負担も生徒の書いたものを打ち込むということで減りました。これは後の作家の時間に大きくつながります。
ちなみに、生徒達の介入が増えてくると作成の負担は比例して減っていき、継続もしやすくなりました。(打ち込むくらいの手間になる)

下の面では、外部の人にも4号に渡って連載記事を書いてもらい、その中身を生徒と話し合ったり、書き手にフィードバックしあったりもしました。記事依頼をしたのは直接の知り合いだったので、生徒フィードバックのやりとりなどはLINEなどを使用し、レスポンスや、時には臨場感もあってよかったです。
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下の面はそのときどきに応じていて、生徒のある一人はプロジェクト学習(以下PBL)に取り組んでいたこともあり、その成果を他の生徒と共有して考え合うことを可能にしたり、
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PBLの中で行った社会科見学の様子なども制作共有しました。
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卒塾生による、受験生への学校紹介やメッセージなども
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▼FJ道場と作家の時間
現在ではFJ道場が源泉となった、FJ作家の時間がとてもいい感じです。
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このアイデアは、この本です。



テーマも書式も何も決めず書くことに関しては一切フリーからスタート。短くてもOK、物語でなくてもOK。徹底的にハードルを下げて発進。作った作品は翌週のFJに掲載され、他の生徒からポジティブなフィードバックを受けます。これだけによって、生徒達はみるみるクリエイティブなり、作りたい作りたい、といってくるようになりました。最初は授業時間内の10~15分をそれにあてていたのですが、次第に生徒達のクオリティーがあがってくると、時間をかけるようになりました。他者への感想を書くのもこの時間にいれてるのでいっぱいいっぱい。

授業時間を毎回大幅に削るわけにはいかないので、任意の宿題とし、作ってきた生徒とはその場で中身について話し合い、(漢字指導なども含む)、iPhoneで写真メモをとり、他者への感想を書いておしまい。時間の節約にもなり、また普段宿題が苦手な生徒達も家でよく作ってくるようになりました。生徒によっては、どうしても授業時間でやってほしいという子もいたので、その子は感想を書く週と作品を作る週ということで、隔週で作品発表としている人もいます。

最初は国語の授業がある生徒だけで作品づくりをしていたのですが、FJを通して、他教科でもやってみたいという生徒が出てきたので、手始めには授業時間内で、次第に宿題へ、という形でそれも成立しました。その生徒は算数の受け持ちだったのですが、最初はオリジナルストーリーを書いていて、完結した次には算数の問題を作家の時間として制作し、他の生徒へ提案する、など、自由度も幅が広がってきています。こうやって、同年代の他の人はどんなことをしてくるのか、考えているのかというのを毎週の見えないところで知り合い、フィードバックし合う、というのはやってみてわかりましたが、やはり素敵なことだなと思いました。

ついにはFJがほぼ作品で埋まったときもありました。
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▼まとめ
これらのように、原型の振り返りジャーナルとは全く別の道を辿ることになりましたが、一年経ってみてしっくりくるようになってきました。今ではこれがないと授業が始まりません。渡しそびれているといつも生徒から「今週のジャーナルは??」と聞かれます。目には見えないのだけれども、たしかにクラスとして存在するようになりました。しかも小学生から高校生まで。時に卒塾生や他スタッフも。今後彼らに何かあったときにでも、見えないけど〇〇さんがあのときこういってくれた、とか、あの時の授業はこんなんだったなあと思い返してくれるとそれはそれで嬉しいです。今書いてて思いましたが、今度生徒にFJについての評価をインタビューしようと思います。

▼ナイス自由塾で
ナイス自由塾に置いてもコンセプトは同じです。個人指導塾との違いは、直接面識があって、普段一緒に活動、学び合っている仲間だというところ。午前クラス午後クラスは面識がまだ薄いけれど、そこも補填していけるでしょう。
また、保護者版の制作も決定しつい先日発行しました。
やはり、なかなか普段顔合わせできない保護者同士において、その関係や、スタッフや塾との関係を丁寧にしていきたいと考えています。それは結果的に私たち一人一人の個人が尊重され、よかったことや困っていることなどを共有しあっていくことが、ひいては生徒達・保護者の方々・私たちの幸福や学びに繋がっていくからだと信じているからです。
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今後も継続していきます。何かアイデアのある方はご遠慮なさらず、いつでもお問い合わせください。


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