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響け!ユーフォニアムの感想1 [京都アニメーション/京マスオフ]

響け!ユーフォニアムについて

個人的にどのように感じるのか。意見を知りたいとの声があったので、改めてまとめてみました。
ボーッと考えて率直に出てきたのは以下の3点。

①「吹奏楽をよく描いてくれた」

②「石原、山田体制をしいたことによる京アニの本気をみたが、実際はいきすぎてしまったり、齟齬が生じてしまったのではないか」

③「京アニについて大いに熱狂し、冷めるきっかけともなった」

ここでは細かいことは書かないし、論じることもない。
ただの感想文として記録に残しておきます。

①「吹奏楽をよく描いてくれた」
はじめに、私は吹奏楽経験者であり、吹奏楽指導や指揮者として20代のほとんどを費やしてきました。そのような中で、常々疑問に思ってきたことがあります。
それは、

「吹奏楽部はいったい誰のためのものであり、何のためのものであるのか、そしてその部活動が部活動たらんと学校生活の中で活動していく意義をおきざりにしてはいないか。」

ということです。

現実的にそれを問い直すという場を、現実の吹奏楽界の中から行っていくことは大変な困難を伴うものでもあり、また現在のシステムで中心となっていっている方々の吹奏楽に対するものの考えに対して、こういった考えを持ち出すことはただの苦言にしかならない。コンクール主義、マーチング主義、またそれらへの抵抗からあぶれでる自由主義。いずれも大いに結構ではあるけれども、それらを横断・通貫するものが抜け落ちている。

そういった中で、今回この「響け!ユーフォニアム」アニメ化企画が持ち上がり、更に石原・山田体制で臨むことがわかったときには熱狂したものだった。

なぜ熱狂したのか。

それには2つの理由があります。

一つは、先述した閉塞停滞的発展モデルへの問題提起にもつながるのではないかという希望、そして次にそれに対して説得力をもたらせうる質の確保です。

最初の問題提起に関して、先述したようにそれぞれの主義がそれぞれ独走している状態で、権力を有する人たちが現状も含め、今後もこのシステムにどっぷりと浸った人たちが担っていく循環にあります。そのような中、これを内側から提唱することは極めて困難であるけれども、全く別の業界であるアニメーションという若者にとって有力な表現媒体を通して描かれることによって、現状を問い直すことができるのではないかと思いました。

さらには、目の肥えた現代の若い視聴者にとって、京都アニメーションのブランド力は確かなものがあり、さらにはその会社を牽引する石原・山田が今回の作品でタッグを組むという体制を敷いたことによって、期待値と質の保証がより高まったことがありました。

特に2点目に関して言えば、既存のアニメファンと、さらに吹奏楽ファンの大きな関心を集めることとなり、その影響力は膨らみ、成功することによって、それは現在の吹奏楽界にとっても確かな一石を投じることにもなるであろうし、この布陣自体もアニメーション業界にとって、その在り方が改めて問われる一石二鳥にもなっただろうと思っています。


今回のことにより、先述した疑問符をひとつ確かな意味で残したのではないかと思います。
それは、滝先生の方法論が計算高いものであるにせよ、純粋なものであるにせよ、「生徒達の自主性」を出発点とし、作品を構成していること。これは強豪校では最初のうちから「有無を言わされず」組み込まれ、多くの学校でも度外視されるケースがとても多い。いや、自主性を謳っていたとしても、それは選択肢のないものであることが多いように思います。

そういった中、少し補強として書くとすれば、一般的に吹奏楽との出会いはおおよそ中学・高校であり(もちろん小学校もある)、それらの時期はアニメーションと接する機会も多く、部活をやっているかぎりでは話題の一つとして取り上げ続けられると予測されます。また劇中オリジナル吹奏楽曲である三日月の舞の人気もしばらくは続いていくことも考えると、音楽の流行によって「響け!ユーフォニアム」という作品に持続性が付与されたことも大きいです。

この三日月の舞に関する楽曲分析も近年の吹奏楽作曲界に投げかけるその存在意義になるだろうけれど、ここでは割愛します。


「吹奏楽部はいったい誰のためのものであり、何のためのものであるのか、そしてその部活動が部活動たらんと学校生活の中で活動していく意義をおきざりにしてはいないか。」


私は吹奏楽部は吹奏楽部の生徒達のものであり、自らの特性を生かし、伸ばしながら情操的な部分を育んでいく教育活動の一環だと考えています。音楽を学び、奏でることによって、その人の人生をより豊かにしていけるもの。その過程において「自分たちが選んだことについて、苦悩しながらも全力を出していくという青春を伴う活動」は大変意義深いものであると思います。また、結果「自分たち」の意見に「自分」が反映していなかったとしても、そこでやっていく選択の幅を与えられるわけです。しかし、実際的にはどうなのでしょうか。

部活動をもっと話して行くには複雑に絡み合うシステムなどを解いていかなければなりません。

アニメーションに関する残りの2点に関してはそのうちに更新していきます。
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