SSブログ

第2回アニメ鑑賞座談会 ねらわれた学園・(アリーテ姫) [animation]

第二回アニメ鑑賞座談会をうちでやりました。
IMG_5887.JPG
片渕須直監督のアリーテ姫と中村亮介監督のねらわれた学園。全く色合いの異なる作品。片渕さんの本質力は本当にすごい…マイマイ新子でも人間讃歌を存分に歌い上げていたけれど、これは更にもっとストレートに人間の心と向き合っています。圧倒されますね…。詳しくは別記事にて。

アリーテ姫
http://www.arete.jp/

後者はもっとライトで青春文学的なもの。現代の若者に心をよせつつ、鮮明な映像表現と丁寧な心情描写。もっとシンプルになればもっともっと良い作品に。今後に期待したい若手監督。
片渕さんは万物普遍の真理、中村さんはもっと身近な、。共に良作だと思います。

ねらわれた学園 アニメ
http://www.neragaku.com/

ここに出てくるサンライズは実質名前だけかな。
あいうらもみるとわかるけれど、中村監督がやりたいことやった感じ。
url.jpg
じいさん蘇りは最初ビックリしたけど、主人公蘇りの布石で、深くしすぎないようなことかな。良し悪しはともかくとして。
nerawareta07.jpg
ただあそこで蘇らせるのであれば、最後おいてけぼりだったカホへの救いがなかったのが、どうかなって感じ。
introduction-cut-05-full.jpg
まぁ原作はまだラノベと呼ばれていない頃のジュブナイルSF(笑

ねらわれた学園 (講談社文庫)

ねらわれた学園 (講談社文庫)

  • 作者: 眉村 卓
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: 文庫



掘り下げようにも、有る意味ではあれ以上掘り下げられないといったところ。(原作を知らないのでなんとも言えません)
p1788mmpeg11us169ot8bb9l18vp1.jpg
監督としてもシェイクスピアのモチーフをかじって文学作品チックに魅せたかったのかもしれないけど、だとしたらもっとカメラワークや演出を精査していかないと、ちょっとこだわりすぎて煩い感じ。
middle_1371305290.jpg
途中シーンの切り替えも、またか、って感じちょっとで飽きる。
neragaku_wp1280_1024_6.jpg
美しい映像美には共感するけど、ちょっと情報量が多くて胃もたれするかも?
脚本ももう少しコンパクトにできるといいかなぁ。
20130627195538_original.jpg
その点で言うと、中村さんの次の作品、あいうらではだいぶ精査された印象で良い感じ♪
41YDXDXwhpL._SL500_AA300_.jpg

携帯電話のモチーフは単に今の中学生たちにとって(ちょっと古くなりつつある?)考えてみることを促してるように思います。たぶん監督自身にはっきりした答えはないはず。(インタビューでも名言は避けていた)

最初は、
【手を繋いでるけど心は繋がってない】
から
【心は繋がってないけど手は繋げられる】
に置き換わりましたが、あれは受け取り手によって振幅の幅が大きいので汎用化するのは少し無理があるかもしれない。それに、もしこのことを謳うのであれば、もっとテレパシーと携帯電話、そしてコミュニケーションの本質にせまるべく展開をしていかないと、すごくチープなイメージで終わってしまう。
1352685813_1_2.jpg
作監の細居さんが女性美を追求してますが、あれは細居さん独自の女性感で、あざとい男性感はないものの好みがあるでしょうね。
121110_02.jpg
カメラワークや演出、キャラクターの演技がこの作品で良いかもと感じてしまうくらい、まともな作品の減少には泣かせられます。

中村さんがもっとシンプルに自然さを徹底的に追求していければ、静的アニメの映像表現としていい感じになっていくと思います。僕の好みとは違うけど、一つの良い懐を開拓していって欲しいです
middle_1371305290.jpg

もう少しせまると、アニメアニメしてました(笑)
さすがにフルアニメとまではいわないけれど、本当によく動く。
実写ではできない、またはあざとくなってしまう大きな演技も、アニメの特性を生かして表現していた。やりすぎ感、いや、ちょっとした迷いがあるような気もしたけれど、挑戦したというところを評価したい。
20130627195538_original.jpg
小さい演技と演出はところどころに光るものがあって、観るものをその世界に引きずり込むものがあった。こういうのもはやなくなってきた、というよりカロリーの高いこと(作業)は現場ではあまり好まれないし、そうなってくると取り上げようという意欲的な人たちも減って寂しいところ。せっかくアニメでしかできないのに。
アニメのすごさは全て0から創れること。その人、そのチーム最大限の力をぶつけてきてほしいね!
だからそこに挑戦していくこと自体に僕は価値を見いだしたい。
introduction-cut-19-full.jpg
恋愛模様は良かったです。
f8yk.jpg
シナリオは途中でちょっとしんどかったかな。原作も機会があれば読んでみます。細田さんに対抗意識があったかはわかりませんが、
20130627195544.jpg
この超能力覚醒の後、もしバトルにいってたら台無しの展開だったけれど、さすがにそれは避けられていた(笑)
c20130404_neraware_03_cs1w1_1280x720.jpg

公式サイト内監督インタビュー
http://www.neragaku.com/special01.html

マッドハウスで一緒にやってた細田守監督に対抗意識は間近でみていればそりゃああったんだろうな、と思いつつ、何か模索している感じをそのまま表現してみた、という感じですかね。

時をかける少女 [Blu-ray]

時をかける少女 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: Blu-ray


そういった意味では、次の作品あいうらでは少し彼なりな答えに近づけてる気もします
130612_14.jpg
あとは、サンライズとの打ち合わせ・話し合いでうまく折り合いがつけられなかったのかな。
インタビュー内でも迷いについては書いてありましたが、フリーになって直後という心象的な背景もあったんでしょう。
いっぱいいっぱいだったんだなぁという中で作った作品としては評価したい(主観的に)
nerawareta_gakuen_02_blog_import_529f119cc1219_zps5bbfbda5.jpg
次のあいうらでの成長が見えてよかったかも

テレビアニメ「あいうら」BD [全12話] [Blu-ray]

テレビアニメ「あいうら」BD [全12話] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: Blu-ray


あと、モブキャラをCGであそこまでたくさん距離感を持ってたくさん動かしたのは意欲的だったかな。遠近法の使い方もウォルトディズニーの開発初期にみられる王道的なレイアウトと動かし方。
bg-movie.jpg
セルアニメとフルアニメのちょうどド真ん中くらい?実写ではあざとい、でもアニメだとやれちゃう、だけど現実感をもって、アニメでしかできないあたりの妥協点を彼なりに一生懸命追求したのかなぁ、って、 
dad0a9ea25c73af0394daad6f8c516d1.jpg
(桜の花びら多すぎw要整理!)

テレパシーの表現がわかりづらかったのが残念。
images.jpg

まだ語り足りてない部分もあると思うけど、おしまい。
一度観ておくのはいいアニメ映画だと思います。
d09e3a5671e459f007944a67b0b67763.png
叙情的アニメ作品のひとつ。

粗はあるけど、中村監督の今後に期待します。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0